言葉は生命の延長であると喝破し、人間にとっていかに欠くべからざるものであるかを論じた表題作ほか、古今東西の文学作品を自在に行き来しながら、言葉と文学の力を明らかにする。『今昔物語』や『宇治拾遺物語』といった日本の古典を題材にして文明論に至る異色作「説話」などを含む、最後の文士・吉田健一の知られざる名随想集。解説=宮崎智之【目次】言葉というもの説話日本語素朴に就て読むことと書くこと控え目に無駄を省くこと言うことがあることに就て何も言うことがないこと後記解説 宮崎智之