琵琶湖をのぞむ仰木の里は、ゆるやかな斜面に棚田が広がり、雑木林や水辺には虫たちが集まる。人と自然とが融け合うこの場所を、写真家は「里山」と名付けた。はじめてチョウを捕まえ、羽化したばかりのセミを見つけ、レンゲの花から蜜を吸うミチバチを見ては、生命の尊さを知る。-少年の眼差しで、「里山」の魅力を瑞々しく描く、感動エッセイ。移り変わる四季の写真も多数収録。