• 著者㈱自動車保険ジャーナル

自保ジャーナル No.2159 2024.6.13

1.脳外傷等から自賠責1級1号高次脳機能障害及び身体性機能障害等を残す54歳主婦の将来入院費等を日額1万8,000円で平均余命まで認め、既往症が治療等の長期化に影響を与えたと3割の素因減額を適用した 2.自賠責併合14級認定の頭頸部痛及び左下肢しびれ等を残す36歳男子主張の9級高次脳機能障害及び10級左足関節機能障害等の残存を否認し10級左肩関節機能障害等の併合9級後遺障害を認定した 3.減収のない54歳男子公務員主張の6級5号脊柱変形を11級7号等の併合10級後遺障害と認め定年までの4年間は実収入を基礎収入に20%、以降の9年間はセンサス学歴計年齢別平均を基礎収入に27%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認定した 4.40歳代女子の自賠責12級6号左肩関節機能障害は後遺障害診断書作成時の可動域測定値は一時的に制限された数値が測定されたもので同数値を基礎として関節機能障害の有無を認定するのは相当でないと否認し14級9号左肩関節痛を認定した 5.20歳代男子アルバイト主張の12級右肩痛及び右肩可動域制限を否認し右肩に拘縮痛が残存したと自賠責同様12級5号鎖骨変形障害を認めセンサス男性同学歴同年齢を基礎収入に5年間14%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認定した 6.横断歩道上をキックボードに乗って歩行中の9歳女子XのY乗用車が左折進入してきた際に咄嗟にハンドルから離した右手の甲が接触され負傷したとする供述は信用することができるとして本件事故によるXの受傷を認定した 7.第1車線を乗用車で走行中に車線変更してきた被告乗用車に接触された原告夫婦の身体に加わった衝撃は極めて小さく、ドライブレコーダーの映像等の他、画像検査において外傷性所見は認められない等から本件事故による受傷を否認した 8.40歳代男子が自損事故により12級13号頸部、腰部及び左肩痛等を残したとする人身傷害保険金請求は本件事故の前から有していた症状で事故との因果関係は認められないとして本件事故による後遺障害の残存を否認した 9.原付自転車で走行中に被告タクシーに衝突され外傷性くも膜下出血等から自賠責1級1号遷延性意識障害を残し約3年1ヶ月後に敗血症により死亡した63歳男子Aの死亡と本件事故との因果関係を認定した 10.追越禁止場所の交差点手前で右後方の安全を確認せず右折してきた先行被告自動二輪車に衝突された原告自動二輪車は被告車の右側を追い越して直進しようとしたと8割の過失を認定した 11.第1車線を走行中に第2車線から合図なく車線変更してきた被告タクシーに衝突された原告自動二輪車に進路変更を予見して運転すべき義務が生じるとは認められないと原告車の過失を否認した 12.夜間、制限速度時速40㌔㍍の信号のない変則交差点を歩行横断中の81歳男子Aに時速約62㌔㍍で走行してきて衝突した被告乗用車は基本的な注意義務を怠った著しい過失があるとしてAの過失を5%と認定した 13.Zからユーザー車検代行を依頼されたYがZ車両を運転中の事故はZはユーザー車検代行のために必要な行為をYの判断の下に行うことを前提としてZ車両を預けたものでZはZ車両の運行を支配・制御できる立場にはなかったと運行供用者責任を否認した 14.原告らの自宅に訪問し点検と称して屋根に上がり台風被害があると装って故意に屋根を損壊した塗装工事業者の被告会社は保険金名目で修理費用を取得しようとしたと認め、原告らに対する損害賠償義務を認定した 15.Vが知人Uから賃借した被保険ベンツを河川近くに停車させ降車した際に本件ベンツが進みだし河川に落下して全損になったとする保険金請求はUとVとが共謀して水没させた故意事故と認定し請求を棄却した

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