綾野剛、推薦!「凡ゆる光を抉るその筆は、彷徨う肉体たちへ生(なま)を刻む」明日のことを僕は考えまいとした。しかし、確実に、もうひとつの朝はそこまでやってきた――。苦しみの果ての輝きを見つめる表題作「もうひとつの朝」、高校三年生で書いた「市街戦のジャズメン」など、『きみの鳥はうたえる』で注目される以前に書かれた作品群から無二の盟友にして並走者・福間健二が精選した初期作品集。佐藤泰志の文学的原質が煌めく。◎解説=福間恵子、解題=中澤雄大