わかり合えないと切り捨てたはずの人の一生が、どうしてこんなにも胸にかなしみを溢れさせるのだろう。病再発の不安を振り切るように出た旅先の大阪で、通りすがりのやさしさに触れて気づく友への哀惜が涙を誘う表題作「あめりかむら」。下町の古本屋を兼ねた居酒屋での人情ドラマ「大踏切書店のこと」、いじめに遭う幼子と、犬との心の交流を描いた「クリ」など魂を揺さぶる5編の小説集。
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