• 著者坂木司
  • 出版社文藝春秋
  • ISBN9784167922726
  • 発行2024年9月

ショートケーキ。

ショートケーキは祈りのかたち――。
悩んだり立ち止まったり、鬱屈を抱えたりする日常に、
ひとすじの光を見せてくれる甘いもの。
「ホール」
大学生の<ゆか>と<こいちゃん>はどちらも、母との二人家族。父が出て行ってから買えなくなったホールケーキを求めて、ふたりは<失われたホールケーキの会>を結成。ある時、離れて暮らす父親から、「大事な話がある」とそれぞれに連絡があり……。
「ショートケーキ。」
俺が働くケーキ屋では、ホールケーキを予約なしに買ってくれるお客さんを天使と呼ぶ。天使の中には常連もいて、その二人組女子は、丸いホールのケーキにこだわっているようなのだ。ところで甘いものに目がない姉が、最近元気がないのが気になっているが……。
「追いイチゴ」
ケーキ屋で働く私には、嬉しいことがあったときにひとりで行う「趣味」がある。ケーキを冒涜しているようで人には言えないのだが……。
「ままならない」
ママになった瞬間から、さまざまなことがままならなくなった。大好きなショートケーキをもう一度ひとりでゆっくりと味わいたい。その願望を実現すべく、<あつこ>は二人のママ友と互助会を結成する……。
「騎士と狩人」
<央介>の口癖は「嫁に行きてえ」、何事にも受け身で生きてきた28歳の会社員だ。ある時、領収書の不備を指摘されたのをきっかけに、会社の経理担当の女性のことが気になり始めるが……。
ショートケーキをめぐる、優しく温かな5編の物語。 文庫解説:岡野大嗣(歌人)

>> 続きを表示

この本を借りた人が、最近借りている本

  • 夜空に泳ぐチョコレートグラミー
  • タクジョ!
  • ガラスの海を渡る舟
  • ばにらさま
  • 水を縫う
  • 風に舞いあがるビニールシート
  • 自転しながら公転する
  • 我が産声を聞きに
  • 世界は終わらない
  • すーちゃんの恋