◆「口下手」な日本のBtoB製造業と伸びしろ
高い技術力、高品質な製品・サービス、真摯な企業姿勢を持つ日本のBtoB製造業。しかし彼らは自らが持つ価値を顧客に届けられていない。つまり「口下手」なのだ。逆に言えば、その魅力を潜在顧客に余すことなく伝えることができれば、享受できるメリットは計り知れず、伸びしろも大きい。
世界経済の主役交代が叫ばれ日本企業の存在感が薄くなってきている今、BtoB製造業との親和性が高いデジタルコミュニケーションへの取り組みについて、この道の第一人者である著者が、大局的な現状解説と改善提言を行う。
◆課題の本質から実例での解決策まで、各章の内容に注目!
●第1章 日本のBtoB製造業がいかに情報発信をおろそかにしてきたかを指摘。この分野では日本よりずっと先をゆく海外事例等も引きながら、その重要性を説く。
●第2章 デジタルコミュニケーションの誕生と普及の歴史にはじまり、BtoBとの相性の良さを紐解いて、業種ごとのデジタルコミュニケーション活用法等を提示。
●第3章 企業が潜在的に持つ多量の情報をいかに整理、提供していくかを、「基礎編」「大規模編」「上級編」とステージ別に解説。デジタルコミュニケーションは「都市づくり」が参考になると説明する。
●第4章 前章まででデジタルコミュニケーションの基本部分や理論を理解した読者に向けて、「A社」を事例に挙げ、実際の課題解決の模様をリアリティ豊かに紹介してゆくチャプター。
●第5章 「デジタルコミュニケーションを前進させるには」と銘打ち、5~10年という中長期の期間を見据えて、戦略的・計画的に変革を推進することの大切さを強調する。
◆日本の製造業のデジタルコミュニケーションが進むべき道は?
本書は読者に、競争力強化に欠かせないデジタルコミュニケーションの構築と運用をどう進めればいいのかを伝えるが、同時に場当たり的・表層的な施策のみに満足することに警鐘を鳴らし、BtoB製造業がやってこなかった自社の価値の見える化とその仕組みづくりには、腰をすえて取り組まねばならないことを教えてくれる。
デジタルの特長を十分に活かしきれていない日本のデジタルコミュニケーションが進むべき道を示し、国内企業の成長と日本経済の発展の一助となることを目指す、視座の高い一冊。