その日、札幌に住む大学生の真一は、離れ離れとなり横浜に住んでいた母・律子の死を知る。ついに分かり合えなかった。その思いを胸に葬儀に向かった真一は、母の部屋で不可解な文章を見つける。「あいしているもういちどあいたいしんじ」-母が最後に残した言葉は、離婚した夫にでもなく、息子の自分にでもなく、だれか別の男性に向けたものだったのだろうか?『償い』の著者が想いを込めて描き出す、母と子の物語。