生きる理由に解答がありえないように、書く行為にも理由などあるはずがない--。長年、内面を明かさなかった作家が明かしたその思想。1980年代に語られた言葉の数々は、今なお社会の本質を射抜き、我々への啓示へと変貌する。国家、言語、儀式、芸術、科学、果たして安部公房は何を考えていたのか。エッセイ、インタビュー、日記など多様な表現を通して、世界的作家の隠された素顔に迫る。