• 著者㈱自動車保険ジャーナル

自保ジャーナル №2164 2024.8.22

1.20歳女子の自賠責7級4号高次脳機能障害は労災保険における4要件に照らし7級又は9級に該当するとも認められず、高次脳機能評価における作業速度や論理的記憶についてやや低い点にとどまる等から12級13号と認定した 2.66歳男子会社員の自賠責8級脊柱変形障害及び同12級5号左鎖骨変形障害等の併合7級後遺障害は脊柱変形による労働能力喪失を20%と評価した上で鎖骨変形による労働能力喪失を加味し全体として27%の労働能力喪失を認定した 3.28歳男子Xの自賠責併合14級頸部痛及び腰部痛等を否認し後遺障害等級14級には至らないものの頸部痛及び腰部痛の神経症状が残存したとして3年間3%の労働能力喪失により後遺障害逸失利益を認定した 4.42歳男子無職の後遺障害を自賠責同様併合14級頸部痛等と認め事故前年及び3年前年収額平均を基礎収入に5年間5%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認定し、本件事故時に就労可能な身体とは認められないと休業損害を否認した 5.自賠責12級13号右第1趾痛を残す男子Xの右内側母趾種子骨は大きく2つに離開しているが新鮮骨折の所見ではないと本件事故による傷害を否認し荷重時痛等の症状が将来にわたって残存する後遺障害とは認められないと否認した 6.自賠責併合14級頸部痛等を残す38歳男子原告会社代表取締役の休業による原告会社主張の外注費用の損害は認められないと否認し、原告の役員給与の8割を基礎収入に3ヶ月間につき3割の休業割合で原告会社の反射損害を認定した 7.友人と共に歩道上を駆けていた7歳男子原告が14歳男子被告運転の自転車との衝突を避けようと非接触転倒して受傷は友人に気を取られ周囲に十分注意を及ぼしていなかった等から原告に6割の過失を認定した 8.信号交差点の歩道上で8歳児Y自転車に衝突された原告自転車は自転車通行禁止の歩道を通行し徐行することなく見通しの悪い交差点に進入しようとした徐行義務違反や前方不注視があるとして95%の過失を認定した 9.片側2車線道路の第2車線を走行中に第1車線左端から転回してきた被告タクシーに衝突された原告乗用車に本件事故を回避するのは困難であり被告車には合図をしないまま転回を始めた著しい過失があると被告車の一方的過失を認定した 10.自転車搭乗中に被告貨物車に接触され受傷したとする男子原告は本件事故以外に13件もの交通事故に遭ったとして保険金請求をしている等から損害賠償目的で本件事故を作出したと原告の故意を推認して被告の過失を否認した 11.44歳女子Xが軽四輪乗用車の運転席ドアを開けて降車しようとした際に地面の段差で右足を捻って負傷したとする人身傷害保険金請求はドアの操作とはかかわりのない原因によって発生したと運行起因性を否認し請求を棄却した 12.居眠り運転で電柱に被保険車両を衝突させたとする男子Xの車両保険金請求は事故後に飲酒したというXの弁解は飲酒運転者がその事実を隠蔽するために行う典型的な弁解等からXの飲酒運転を認定し保険金請求を棄却した 13.ペダル付き原付自転車のモペットで走行中の原告が歩行者Vに衝突し傷害を負わせたことによる個人賠償責任保険契約に基づく保険金請求は本件モペットは「原動力がもっぱら人力である車両に該当しない」として請求を棄却した 14.Y医師の診察を受けた際に左上腕部に暴行を加えられ全治2週間の左肩関節捻挫等の傷害を負ったとする男子Xの供述は客観的証拠による裏付けに乏しい等からYの暴行を否認してXの請求を棄却した

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