母よ、認知症が忘れたフリしたら、ややこしいよ。
母、81歳、認知症&糖尿病
姉、48歳、ダウン症
父、82歳、酔っぱらい
私、47歳、元SMの女王様キャラの一発屋
全員今でもポンコツである。
「壮絶だけど笑って泣ける」家族のリアルな物語がパワーアップ!
「ママ、なんだったらできるかね。ママ、なんだったら覚えていられるかね」
私はすぐに返事ができなかった。
「この連載で初めて、私は一線を越えた。書籍化するにあたりもう一度考えた。改めて心に刻む。家族を晒すも、守るも私だ。私にとって書くことは、このふたつが同じ線上にある」
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コロナ禍久々に帰ったら、実家が砂場の「ゴミ屋敷化」していた――。
大黒柱だった働き者の母の異変に同居を決めたにしおかすみこが、暮らして1年経ってみたのは、さらにパワーアップしたポンコツ度合いだった。笑って泣ける家族と介護「2年目」の姿。
目次
ポンコツ家族紹介
1 歯医者と認知症とダウン症
2 「認知症はフェイク」疑惑
3 家電もポンコツ
4 くさいあたたかい
5 予想の上をいく
6 孫とマイナンバー
7 エンディングメール
8 母の自由行動と私の不自由行動
9 カメラマン少女
10 せかいじゅうの葉っぱがみどりいろな理由
11 お風呂記念日
12 添え割り箸
13 お中元とウナギ
14 豆腐の角に頭ぶつけて
15 Siriと雷と潔い不正
16 お風呂記念日ll
17 深爪の理由
18 送りつけ詐欺
19 お葬式と誕生日
おまけの番外編 「トットちゃんの髪の毛」
あとがき
装丁・本文デザイン/鈴木久美
装画・挿し絵/西淑