極北の村シオラパルクでの極地生活と犬ゾリのトレーニングを終え、植村直己が次に向かったのは、グリーンランドのヤコブスハウンからアラスカのコツビューまで1万2000キロにおよぶ途方もない犬ゾリ行だった。ブリザードに行く手を阻まれ、ソリを海中に落とし、白熊の恐怖におびえ、食糧不足と重労働でハスキー犬たちを次々に失ってしまう。それでも1年半をかけて完全走破した、植村直己の不滅の記録である。