読むこと、書くことを通してことばを見つめ、ひろい場所で呼吸を続ける現代詩作家、荒川洋治。
本書では、随筆家、編集者、文学賞の選考委員と、
50年以上も多彩な立場で活躍を続ける著者が生んだ4000編以上のエッセイから、
「文章を書く」ことついて記した55作を選りすぐって収録。
■武田砂鉄さん推薦■
自分はずっと書いている。
ずっとずっと書いてきた人の言葉はずっと尊い。
ずっと届かないのがとてもいい。
【目次】
はじめに
第1章 暮らしのなかで書く
春とカバン
まね
畑のことば
おかのうえの波
他の人のことなのに
メール
夢のふくらみ
青年の解説
自分の頭より大きな文字
これからの栗拾い
小さい日記
すこしだけ、まわりとちがう
一本のボールペン
言葉がない
第2章 詩のことば
かたわらの歳月
散文
蛙のことば
ファミリー 詩の誕生日
山林と松林
目覚めたころ
希望
論文の「香り」
詩の山々
きょう・あした・きのう
いまも流れる最上川
詩の形成
涼やかな情景
キアロスタミと詩と世界
第3章 文学をよむ、書く
峰
かたちが光る
短編と短篇
高見順
遊ぶ
おおらかな写実
毒と神秘と
いつも何かを書いている
風景を越える
書きもの
暗くなったら帰るだけ
『島村利正全集』を読む
悲しみ、楽しむ
第4章 書く人が知っていること
しら浪
子どものときにつくる本
美しい砂
夢と光の日々
形にならない心へと向かう
悲しいもの
自転車で歩く人
太郎と花子
ホームズの車
東海林さだお『スイカの丸かじり』
底流にあるもの
道の影
上のほうから来た人
これから
おわりに