シックイ、茶、急須、ウダツの原型を考えつつ、著者は蘇州や杭州を歩く。紹興では作家魯迅を思う。名作「故郷」の舞台である。少年時代の魯迅の英雄、幼友達の〓(るん)土の孫が、当時の魯迅記念館の責任者だった。筆者はうれしくて飛び上がる。旅の終わりは寧波。船に乗って港を走ると、回りは中国伝統の帆船、ジャンクだらけだった。ジャンクもまた、筆者のあこがれだった。