山伏や願人坊主など、信抑の古層を一枚ずつ剥いでいく「洛北諸道」、源義経や明智光秀が馬を進めた途をたどる「丹波篠山街道」、戦国の世にひときわの光芒を放った自由都市をしのぶ「堺・紀州街道」など、小さいながらも趣ある五つの旅。折からの列島改造ブームが、歴史の堆積深い風土を壊していくことへの警鐘を、著者はいち早く鳴らす。