『源氏物語』二分冊の下巻。若菜上巻~夢浮橋巻を収録。女三の宮と柏木の不倫、紫の上の死、そして源氏は物語から姿を消す。舞台は哀愁漂う宇治十帖へ。薫と匂宮の青春、男の薄情を思い知る宇治の姫君たち、浮舟を取り合う薫と匂宮、浮舟の入水……。悲哀と絶望の中に人間の真実が浮かび上がる。