その居酒屋には名前さえついていない。土地の人びとは「権兵衛酒屋」と呼んでいる。亭主はもと二人差であったらしい。長谷川平蔵がそこへ立寄った日に、「権兵衛」の女房が斬られ、亭主はいずこかへ逐電した。何かいぶかしい-。謎を探る平蔵に迫る怪しい影は、ついに鬼平を斬った。特別長篇「鬼火」、満を持して登場。 出版社文藝春秋 ISBN9784167142391 発行1988年10月