女はいきなり甚助へつかみかかり「何をしやがる」立ちあがった甚助に突き飛ばされると、「か、敵討ちの約束がまもれぬなら、わたした金を返せ、返せえ!」白眼をつりあげて叫んだ-。逃げ廻る甚助に旧知の平蔵は助太刀をするが、事は意外な方向に展開して行く。女心の奇妙さに、さすがの鬼平も苦笑い。花も実もある鬼平の魅力。 出版社文藝春秋 ISBN9784167142452 発行1991年4月