戦後間もない日本では海外渡航がきわめて難しく、芸術の都パリは遠い遙かな夢の世界。1954年(昭和29)初めて念願のヨーロッパ取材が叶った木村伊兵衛は、ライカのカメラと開発されたばかりの国産カラーフィルムを手に渡仏。そこで写真家アンリ・カルティエ=ブレッソンやロベール・ドアノーと出会い、生きたパリの街並みと下町の庶民のドラマを撮影した。木村作品のなかでもとりわけ異色なカラー表現されたパリ。往時の魅力が写された117点を収載。
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