本書の特徴は、ローマ側の資料だけとか、アンチ・クレオパトラ側だけに立っているとか、また、その反対とかいった偏向した方法を取らず、今までのクレオパトラ関係の資料の全てを集め、それを冷静に判断し書いている点にある。言ってみれば、クレオパトラ総集編、または究極のクレオパトラ論のようなものであろう。