特集:検証・地方創生10年 限られた成果 【本誌市区調査】3割が人口減に歯止めかけられず
国が2014年に「地方創生」(まち・ひと・しごと創生)の取り組みを開始してから、今年で10年。少子化に歯止めを掛けるとともに東京一極集中を是正し、人口減少を克服することを目指したが、成果は限定的で、人口減少と地方の衰退が加速している。自治体の取り組みは「人口の奪い合い」とも指摘される移住者の獲得競争が主要な施策となり、その間に出生率、出生数、婚姻数は過去最低に沈んだ。815市区を対象にした本誌調査で「人口を増やせた」と回答した団体が全体の7分の1だった一方、「人口減少に歯止めをかけられなかった」と答えた団体は約3割を占め、地方創生で設定した数値目標・KPI(重要業績評価指標)の達成率が50%未満だった団体は8割弱に達した。抜本的な少子化対策の実行、地方での優良な雇用の創出、若年女性の地方定着・回帰などが難局打開のカギとなりそうだ。