• 著者古郡 悦子

リアルタイムMIT 科学ジャーナリストたちの九ヵ月

全米で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出しているMIT(マサチューセッツ工科大学)で、科学ジャーナリストのためのフェローとして九か月間を過ごした著者の体験・観察記。といっても、よくある留学体験記とはまったく違う。有機化学、生化学、科学史を先行したすぐれた科学ジャーナリストである著者が、MIT独得の多彩な講義を聞きまくり、教授純也学生たちと親しく語り合って、その研究活動や教育の実情、生活の様相などを描いているのだ。おもしろくないはずがない。ハーバードでの最高の悪口は「歴史がない」だが、MITでのそれは「働かない」である由。この活力にあふれたMITの生きた姿がここにある。光ばかりではない。影もある。研究費予算の大幅削減に揺らぐ基礎研究の姿。そしてその将来への不安と危惧。こうした面にも著者は鋭い目を注いでいる。

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