三日の旅終へて還らす君を待つ庭の夕すげ傾ぐを見つつ――昭和から平成の終わりまでに詠まれながら、これまで私たちの目に触れることのなかった四六六首を収録する。よろこび、悲しみ、ときに言葉にできない驚きや共感……。うつろう時間の中で三一文字に凝縮された豊かな世界。その扉がいま開かれる。解説・永田和宏。