人と人との繋がりを透明に残酷に描き出す。
結婚式前々日に婚約者は自ら命を絶った。動機に心当たりはなく、家族にも友人にもその理由はわからない…表題作「幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい」。 書店員の女性のとある一日。思いがけない出来事があり、想像もしなかった言葉をかけられる、そんな普通の一日。…「書店員波山個間子」 13歳、中学生、夏休みの課題図書、国語の先生、お爺さん先生…「谷後先生」 結婚しようと決めた日のこと。ちゃんとふたり、幸せだった日の。表題作の前日譚…「海を見に行く」。 ほか、「自転車は晴れ」「甘党兄弟」「少女とカメラ」など、全12作を収録。 IKKI新人賞[イキマン]単行本描き下ろし部門を受賞した、新鋭・黒谷知也の初単行本。
【編集担当からのおすすめ情報】 不思議なことはなにも起こりません。日常の誰にでも起こりうるお話ばかりです。しかし、その当たり前の日常が奇跡かもしれない、そう思わせてくれます。淡々と描きだされる多様な人間ドラマを味わってください。