本書の主題は、ナンセンスの可能性の条件、すなわちナンセンスがなんでありうるかについて考察することにある。論理学および数学の哲学の技術的な部分、数学的実在論の問題や、この問題に対しカントやフレーゲやゲーデルがそれぞれいかなる立場をとったかも重視した。ナンセンスを排除するための手段、哲学からナンセンスを排除するための手段を見いだすことに最大の関心を払う論理学者や哲学者の観点とは異なる、より「文学的」でより肯定的な観点からもナンセンスを考察している。