非凡の"学者商人"反町弘文荘主人が語る、昭和の古典籍大移動史。独自の善本捜索網を全国に張りめぐらし、北は札幌から南は鹿児島までも奔走。時には大入札会で業界の巨頭と国宝本の札を競い、時には地方同業の店頭に天下一本を掘り起こす。学問的な目録の編纂と、きびしい実戦で自らを鍛える、三十代の著者の努力奮闘記。昭和8年から20年まで。