中国の民族問題は国家原理の中核的矛盾として存在し、今日の根源的な危機を形成している。清末以降の近現代史と国際政治の動向の中にチベット、ウイグル、モンゴルを位置づけ、民族自決運動の実態、中国共産党の民族政策、ダライ・ラマ十四世の主張などを紹介。「9・11」以降の反テロ国際連合が中国民族問題に及ぼした影響についても考察する。