1970年代より長年にわたり、デザインや執筆など枠にとらわれることのない多様な活動をしながらも、心には「イラストレーターであることへの誇り」を常に持ち続け、ひとつの時代を築いた安西水丸。画面の要素をできる限りそぎ落としつつ、柔らかくユーモアに溢れ、ときに優しく、ときに鋭く、みる者を魅了した作品の数々。「描くことが好きで絵のことばかりを考えてきた」安西氏の幼少期から晩年に至るまでの足跡を辿る。嵐山光三郎、村上春樹が寄稿。