オレがまだ学生の頃、下宿の裏庭で一緒にボールを蹴って遊んでいた近所のガキ、ケンタロウから十年ぶりにハガキが来た。ブラジルのプロでサッカーをやっていたが見切りをつけ、アメリカに渡って、プロゴルファーになったというのだ…。今、不当に虐げられ、力をうばわれている人々に村上龍が送る再生と勇気の最新長篇小説。