黙狂の矢場徹吾が遂に口を開く。"決していってはならぬ最後の言葉"を語り始める第二の山場。そして翌日の昼、主要人物が一堂に会する津田安寿子の誕生祝いの席上、果して何が起こるのか。七章から最後の九章までを収録。精神の"無限大"をつきつめ、文学の窮極大飛翔をはかった傑作、埴谷雄高の『死霊』は幕を閉じる。だが、埴谷が生涯かけて追究した"存在の革命"は未来へ託された-。