貧苦と愛憎の生活の果てに天才画家の夫、三岸好太郎を若くして喪い、三人の子たちを育てながらカンバスとの対話を続けた節子。画壇の女性蔑視と闘い、傷つき、奮起して、ついに大輪の花を咲かせた節子九十四年の波瀾の生涯を描きながら、明治・大正・昭和・平成の社会を浮き彫りにする-著者九年に及ぶ労大作。貴重な資料と取材で描く等身大の画家の肖像。