川に行くと、今日も水の流れる音が聞こえてきます。そんな川の中をのぞいてみると、たくさんの魚たちが、いろいろな作戦でたまごを守ろうと奮闘しています。砂利の下にたまごをうめてかくすサケ、二枚貝の中にたまごをうみつけるニッポンバラタナゴ、水草でたまごをかくす巣をつくるトミヨ、そして、オヤニラミに自分のたまごを托卵し守らせるムギツクなど、魚たちが長い時間をかけて作りあげてきた「たまご大作戦」は、生存競争を勝ち抜くための生きものの知恵でもあります。この本では、淡水魚たちのさまざまな繁殖戦略を迫力の写真で紹介しています。著者は、日本の水環境とそこにくらす生きものたちを撮影し続けてきた写真家・内山りゅう氏です。表紙にも登場しているカワヨシノボリの愛嬌のある表情や、コロコロとしたたまごたちのかわいらしい姿など、見ているだけでも楽しめる1冊です。魚の卵の大作戦をのぞいてみましょう!