時は平安。天狐の血を引く、安倍家の二人の陰陽師-。「…そろそろ限界だ」謎の天狐・晶霞の言葉どおり、少年陰陽師・昌浩はその身に流れる天狐の血にのまれかけており、祖父・晴明は、命は取りとめたものの危険な状態が続いていた。そして、昌浩への想いにめざめ、いつしか彰子への嫉妬をつのらせていた中宮章子の心の闇に、藤原氏に憎悪を抱く丞按がたくみにしのび寄ってきて-。"天狐編"さらに驚きの展開に。