世俗的名声に対する悔恨と自省、経済的困窮と慢性化する病気、宗教的主題への開眼と「ミサ・ソレニムス」「第九」の完成等、栄光と悲惨が交錯するベートーヴェンの後半生が、下巻に収められた33通の書簡によって明らかにされる。巻末に、最新の研究成果を盛り込んだ解説と人名索引・作品索引・作品年譜を付す。