近所の小母さんが遺した、謎めいた「暗号」。隣家に住む姉妹とともに解読をこころみる佐保は、土地に根づく習俗がからみあう、不思議な世界に迷いこむ。幾重にも交わる家や人の縁、わけしり顔の兄、そして庭から見つかった蛇の石の意味とは?懐かしくも妖しい世界を描き出し、著者の新境地を拓く長編小説。