仕官が叶わず行き場の無い武蔵は、家康との決戦に備える豊臣勢に加わろうとするも全く相手にされない。さらに、小次郎との決闘で細川家に利用されたことに気づき、己の無力さに、再び愕然とする。そんな折、水野勝成に請われ大坂夏の陣へ参加が決まり、念願の武人としての機会を喜ぶが-。時代に裏切られ続けた男の哀切極まる生涯を描く、著者渾身の歴史大作。