26歳、才色兼備の朝日奈まゆみはジャズバンドのマネージャーだが、根っからのアメリカ嫌い。彼女の恋人五郎は過激な右翼団体の塾生だったが、敗戦と共に切腹したという。ジャズバンドに打ち込むことで辛さをまぎらわそうとしていたまゆみの下へ届けられた、一本の白檀の扇が運命を変える。敗戦後の復興著しい東京を舞台に、戦争に翻弄される男女の運命を描く。