フローからストックへ、日本経済は長期的構造変化を遂げつつある。「宵越しの金を持たない」社会から「失うべき何物かを持つ」社会への変貌。ストック経済はしかし、豊かである半面、分配上の深刻な問題を抱えている。新しい時代の公平と真の豊かさをどう実現するか。本書は土地政策、相続・資産税制、社会保障制度等の具体的構想を提言する。「資産保有者の貪欲が社会の進歩を妨げる」という認識に立つ、新しい経済学の試みでもある。