部屋の中には見知らぬ少女がバスタオルを体に巻いて立っていた。空とは似ても似つかない長身金髪の美少女だ。同じなのは髪をツインテールに束ねているところだけ。彼女は青い眼を大きく見開いて、口を大きく開き甲の顔を見返していた。空気が凍り付き、しばしの間、甲と少女はただ無言で見つめ合う。-どうして空がいないんだ?それにこの娘は誰なんだ?ふいに、はらっとバスタオルが床に落ちる。小女の肌は真っ白で、大きな胸とお尻が白いレースの下着で隠されていた。「うわ…」甲は気を動転させたまま、むなしく頭を空回りさせる。わからない事だらけだが、たった一つわかることがあった。-どうやら俺はとんでもない勘違いをしてしまったらしい。やがて、少女の目がきゅっと強く閉じられて、悲鳴をあげようと大きく息が吸い込まれた。如月寮に木霊する悲鳴からすべては始まった。常時仮想空間に脳が接続されている第二世代電脳化処置者(セカンド)の聖地、星修学園都市にある星修学園高等部を舞台とした、ドタバタあり、恋愛あり、バトルありのボリューム満点学園サイバーアクション。卑影ムラサキ氏全編書き下ろしの渾身の一冊。