十一歳で室町幕府第十三代征夷大将軍となった足利義藤(のちの義輝)の初陣は惨憺たるものだった。敗色濃厚と知るや自ら城に火を放ち逃げ出す幕臣たち。一人戦場に挑んだ己の無力。既に将軍の権威は地に墜ち、世は下克上の乱世を迎えていた。窮地で旅の武芸者の凄まじい剣技を目撃した少年将軍は、必ずや天下一の武人になると心に誓う。圧倒的迫力、一気読み必至の歴史巨篇ついに始動。