「涙なんて流しちゃいけないんだ。ここへ来てそれがわかったよ。生きてる者も死んだ者もこの宇宙の無限のやさしさの中に永遠に包まれるんだ」世界を震撼させるような事件をもくろむ男がいた。決死の覚悟でこれを防ごうと奔走する男がいた。各国の思惑に烈しく燃える炎の中で男たちが舞う。そして男の耳に聞こえてくるもの、それは歴史の蹄の音だった。-ひとり落合信彦だけが描ける、血沸き肉躍る国際小説の極致。