平安時代末期に成立した『とりかえばや物語』は、内気で女性的な若君と、男性的で快活な姫君とが、それぞれ女装し、男装して生きていくことで展開する王朝の物語である。「男女をとりかえたい」との父親の願いが、そのまま物語のタイトルになっている。源平の動乱の直前で、貴族社会は爛熟のあとの退廃に向かい、人々の心に不安が漂い始めた時代を反映してか、この物語には、ゆがめられた形の複雑な愛情表現や心理描写がなされており、それゆえにこそ、現代にも通じる文学としての地位を保っている。
Faceboo auth is required to view user page.
If you have logged in since, it's automatically executed. If first time, Facebook auth login page will be shown, after your authorization, you can access user page.