何を病気とし、誰を治療者とし、何をもって治療とするのか。普遍症候群/文化依存症候群の構図に個人症候群の概念を導入し、精神病理と文化を多角的に考察する。治療の仕方、患者‐治療者関係をはじめ無数のことがないまぜになっている「治療文化」から精神医療を根源的に問い直し、人間理解への新たな視点を開く画期的論考。