二〇〇四年五月、二度目の小泉訪朝。両国の首脳会談により、拉致被害者家族五人が首相とともに日本に帰還した。この歴史的交渉は一朝一夕で実現したものでは、決してない。平沢勝栄の北京会談、山崎拓の大連会議を陰で演出した一介の男が、拉致被害者家族生還劇の舞台裏を描く。