「世界は日本、アメリカ、ヨーロッパを中心とする三つの準貿易ブロックに分かれる。ブロック内では自由貿易がおこなわれ、ブロック間では政府による管理貿易がおこなわれるようになるだろう」。サローのいう「準貿易ブロック」は、1930年の排他的な経済ブロックとは本質的にちがう。ひとつの国家を単位とする経済から世界全体を単位とする経済へ移行するための中間段階として、自由貿易と管理貿易のミックスを積極的に評価しているのである。