読書のたのしみのひとつは、そこでものを考えることにある。つまりは哲学。しかし、哲学者の本は長すぎる。その人が思想を体系化したい気持ちはわかるが、哲学者がこんなにたくさんいたのでは、それに全部つきあっているわけにいかぬ。教養のために哲学者の名前をおぼえたりするより、そこでなにかを考えるようにさえすれば、それがぼくにとっての哲学の本。