大阪市生野区猪飼野-一九七三年二月一日を期して、その町名が消えた朝鮮人密集地である。朝鮮人の原初の姿が風化されずに残る地域として知られる。猪飼野で暮らした記憶をたどりながら、その集落での生活を語る連作詩集。「詩こそ人間を描くものだ」という作者の思いが見事に表現された代表作。書下ろしの自著解題を収録。