心傷ついた女、障害を持つ男、信心篤い無垢な者…師匠達は四国の森に根拠地を作る。だが棄教で一度芽生えた不信感は拭い去れず、グループ間の対立も燻り続ける。やがて悲劇の予感と共に教団再建の大集会が始まり、師匠は「新しい人」に全てを託す。再生と救いを追究し、"魂のこと"を求め続けた大江文学の集大成。