琅蘭帝国には、ひとつの神話がある。滅びと戦を司る天狼君。その化身は右手に瑪瑙を握って生まれる。世が禍で満ちたとき、かの者は赤狼を従え民を導くという。「怪異だ!赤い-けものが…!」皇子太白の率いる琅蘭軍の窮地を救ったのは、赤い翼をもつ狼だった。自らの危機に幾度となく現れる妖獣を前に太白は-。翔べ、さもなくば滅べ。衝撃のエキゾチック・ファンタジー。