「知」とは、多くの人間のために、多くの人間によって創りだされる、多くの人間の知識である。本書では、"多くの人間"を"コミュニティ"と読み替えて、「知の創造」を考えていく。「知」を創りだす固有の仕組み「知の創造パターン」を、それぞれのコミュニティが備えているが、「知」は「知の創造パターン」の構造そのものを変容させることや、まれにはコミュニティの根本的な秩序を変えてしまうこともある。こうした「知」や「知の創造パターン」の影響力に着目して、コミュニティの歴史を見直していく。そして、「IT革命」といわれる情報化に関する技術(通有技術)がもたらした現在の社会変化は、はたして革命と呼ぶような人類史の一大変革となるのだろうか。こうした疑問にも答えていく。